第一部
 東の大陸

【2003/6/16 第一部 完】

 
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序 章

第一章 東の地に
  

第二章 金の髪を持つ者
  

第三章 囚われの王子
         10 11 12 13 

第四章 思惑そして予兆
      

第五章 覚醒、三つ目の石
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第六章 画策と真実
         10 

第七章 それぞれの絆
           

第八章 インファの花が風に散る頃
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あとがき ……外伝のお知らせもあります。


第一部ご案内【人物紹介・地図】

【各章のあらすじ】

第二章 
  
  夜、私室でくつろぐクゥアン国王ジュリアスの元に、視察から戻った第一騎士団のオスカーが報告にやってくる。王と家臣になる以前からの付き合いである二人は、気さくに会話を進める。
 オスカーは、クゥアンから見れば、辺境の国モンメイの第二王子が金の髪を持つ者らしいとの噂を聞きつけ、ジュリアスに報告する。自分と同じ金の髪を持つ者の出生に、言い伝えとは別の思惑を抱いているジュリアスは、興味を持つ。折しも、モンメイ討伐の為に、クゥアン軍は 、既に出陣しており、彼は、自らモンメイに行く決意をする。
第三章
  
 
  一方、モンメイにも、クゥアンが攻めてくる情報が伝わった。そんな最中、モンメイ国王は、二人の子とともに語らいの時を持つ。金の髪を持つが故に、第二王子としての地位にいるオリヴィエは、戦いに参加させて貰えない現状に虚しさを覚える……。
  ついにクゥアン軍が、モンメイ王都近くまで迫っている。早朝、側仕えの娘に起こされたオリヴィエは、戦いに参加できない苛立ちや、これまで過去の鬱憤を、晴らすかのように、側仕えの娘を、つい抱いてしまう。優しい娘の態度がオリヴィエを癒す。
     クゥアンとモンメイの戦いが、王都近くの河川敷で行われており、そこにジュリアスがいると聞いたオリヴィエは、彼を見たい一心で、城を抜け出し、戦いが見張れる風車塔へ向かう。モンメイ優勢の戦いに、妙な胸騒ぎを覚えたオリヴィエは、慌てて城に引き返すが、既に城は、クゥアンの別部隊によって制圧されていた。そしてオリヴィエとジュリアスは出逢う。
 
 
  戦いの終わったその夜、モンメイ城の見回りから戻ったオスカーは、ジュリアスが休んでいる客室で、休息をとる。静かにモンメイの歴史書を紐解くジュリアス、その横顔を見て、オスカーは昔の事を思い出す。
 10 11   前モンメイ王の葬儀が終った後、オリヴィエはジュリアスに呼び出された。ジュリアスはオリヴィエに、出生を尋ね、金の髪を持つ者は天からの使いなどではなく、魑魅魍魎の世界とされる西から来たのではないか?と言う。西の世界はそのような混沌とした処ではなく、文明がある証拠に、祖先から伝わるラピスの装飾品をジュリアスは、オリヴィエに見せるが……。
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 二つの宝飾品を目の当たりにして、ジュリアスは自分の考えが間違っていないはずだと確信し、西に行く決意を固める。オリヴィエもまたジュリアスと共に行く決意をする。そして、今一度、同盟国としてのモンメイ存続を願い出る。 そしてジュリアス、オスカーと共に、オリヴィエは、モンメイから離れ、クゥアンへ旅立つ。
第四章
 
 クゥアンへ向かう道中。オリヴィエは、ジュリアスやオスカーたちと友好を深めていく。
  
 
  トゥンコウという町に着いた一行。久しぶりの町で羽根を伸ばそうと、酒場に出掛けたオスカーは、そこで、領主の館で持てなされているはずのオリヴィエと逢う。酒場が初めてだという彼に負けて付き合うことになったオスカーは……。
    クゥアン城に到着した一行。元老院との関係を気に留めながら、オリヴィエは、オスカーの指導の元、さっそく騎士試験の為の稽古に励む。
 晩秋の王都で、ジュリアス、オスカー、オリヴィエは。それぞれ親睦を深めていく。
第五章
 
 
  モンメイに冬がやって来た。オリヴィエはオスカーの元気のないことに気づく。ジュリアスから、今後の身の振り方について尋ねられたのだと言う。オリヴィエはオスカーを元気付け、南の領地への視察に送り出す。

 

  老騎士ラオに連れられて狩りに出掛けたオリヴィエは 、なかなかの腕前を見せる。その帰り道、ラオから、オスカーが南に視察に向かったことを、しつこく尋ねていたツ・クゥアン寄りの文官の存在を知らされる。
 またその頃、ツ・クゥアン卿は、その文官から、オスカーの故郷ホゥャンの政情悪化の報告を聞いていた……。
南の領地での視察を終えたオスカーは、船を造船している港町を経由し、帰路についた。ホゥヤンの手前の駐屯地に立ち寄った彼は、急遽、ホゥヤンへ視察に行くようにとの伝令が入っていると聞かされる。久しぶりの故郷、実家に戻ったオスカーは、父ロウフォンと再開した。

 

 父ロウフォンからホゥヤン領の現状を聞かされたオスカーは、報告書をまとめるために、二、三日滞在することを決めた。翌日、ロウフォンは、対立している両領主の仲を解決するために、泉の館で、会合を開く事になったと、久しぶりに明るい顔をしたのだが……。
       泉の館に到着したオスカーは、奥の間に籠もり、不正の実態について把握しようと資料を読んでいた。ロウフォンは両領主を出迎える為の準備を整えていた。だが、約束の時間が過ぎてもホゥヤン領主が到着しない。やがて館の周辺で不穏な動きが……。
第五章 10
第六章
 燃える室内で手に入れた古い剣に励まされるように、オスカーは気力を振り絞って、裏庭の地下貯蔵庫へ逃れ、そこで意識は彼の遠退いていった。一方、ジュリアスとオリヴィエは、クゥアン城にて、穏やかな年末の午後を過ごしていた。オスカーの帰宅が遅いことを案ずる二人は、ふとオスカーに呼ばれた気がして、不安な気持ちに……。
   年明けまで後二日。クゥアン城に、ホゥヤンでの一件を報告するために、ホゥヤン領主一行がやってきた。彼の口から、オスカーの名前が出、館と供に焼死したはずだと聞かされたジュリアスとオリヴィエは……。
   眠らぬ夜を過ごしたオリヴィエは、翌朝、ラオに、ホゥヤン領主からの話を打ち明けた。不可解な部分にラオは気づき、オリヴィエは、オスカーの安否と真実を探るべくラオと彼の孫ヤンを、ホゥヤンに差し向ける。
   オスカーの事を気にしながら、年越しの祭を迎えたジュリアスとオリヴィエ。一方、ホゥヤンに到着したラオとヤンは、ロウフォンの館に入り、執事から事情を聞き、泉の館付近を探る。
   ロウフォン家の執事からの情報を元に、泉の館付近の村に着いたラオとヤンは、それらしい家を見つけ、ロウフォンとも逢えたが、オスカーの意識がまだ戻らぬことを知る……。
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第七章
  
 ようやくクゥアンに辿り着いたロウフォンとラオは、城には行かず一旦ラオの館へと入る。ラオは執事に、オリヴィエにこちらまで来てくれるようにとの伝言を託した。
    ツ・クゥアン卿からの報告で、ジュリアスとオリヴィエは、ホゥヤンから視察隊が持ち帰ったオスカーの折れた剣を見せられる。オスカーの安否を、一刻も早く知りたいジュリアスは、オリヴィエと供にラオの館 へと出向く。そこには、ロウフォンがいた。
    翌日、ジュリアスとオリヴィエは謁見の間で ツ・クゥアン卿に逢う。
ジュリアスを欺き続けることに苦悩するツ・クゥアン卿は、ついに事件の全貌を話始めた……。
   全てを告白したツ・クゥアン卿に、 ジュリアスは刑罰を言い渡す。狼狽する彼に冷ややかに接しながらも、心の奥では許しているジュリアス。そんなジュリアスをオリヴィエは理解している。そして、第一騎士団はホゥヤン領主拘束の為、ホゥヤンに出発した。
第八章 
   
 ホゥヤンに着い第一騎士団は、ホゥヤン領主を拘束した。一方、オスカーは束の間ながらも意識を回復した。喜ぶヤンは、泉の館の跡地で、現場を見に来た騎士たちと出逢う。ラオや学校に事が気になる彼は、彼らにオスカーの事を任せて帰路につく。クゥアンの自宅では、やはりラオが伏せていたが、ロウフォンから留守中の出来事を聞き、今回の一件が終息に向かっていることを実感する。
 数日後、オリヴィエの元に、モンメイのリュホウからコツによる文が届く……。
    近隣の領主を集めた謁見が始まった。ジュリアスはそこで、ホゥヤンを国に戻し、ロウフォンを国王とすることを宣言する。次いで、ツ・クゥアン卿を、次期クゥアン国王に任命した。動揺する領主たちに、ツ・クゥアン卿は、オリヴィエの画策していた事……ジュリアスがこの大陸全土の皇帝となるのだと述べる。
 一方、ホゥヤンでは、意識のもどったオスカーが、自宅に戻る。ようやく回復の兆しの現れた彼の元に、ロウフォンがクゥアンより帰宅した。
    クゥアンで療養中のオスカーと、クゥアンで忙しくしているジュリアスとオリヴィエ。それぞれの時間がゆったりと流れていく。やや暖かくなり体調の戻ったオスカーは、父ロウフォンに、クゥアンに戻ることを話す。
 オスカーが戻ってくる知らせに、第一騎士団の者たちや、ジュリアス、オリヴィエは喜ぶ。
 10 11 春になり騎士試験が行われた。持てる力を発揮したオリヴィエとヤンは、晴れて騎士となる。そして初夏。ジュリアスたち一向は、インディラ港から西へと出港した。

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