一方、リュミエールの館。
「う……」うめき声を上げてリュミエールは寝返りを打つ。
瞼の裏にほのかな明かりが映る……もう起きなければ……とリュミエールは思う。(気分が悪い……まだ眠い……でも)リュミエールは再び寝返りを打って、側に誰かいるような気配を感じ、ハッと目を開けた。
「あ、クラヴィス様」
「目覚めたか……気分が悪いか?」
リュミエールの脳裏に昨晩の事が蘇る。
「あの、ずっとここに?」
「お前に安らぎのサクリアを放ってしまった。加減はしたが、もし万一目覚めぬ事があったらと……」
「心配して下さったのですか? あのような醜態を見せてしまったのに」
「お前らしくもない、私がサクリア仮面になったせいで寂しい思いをさせたか?」
「……はい」リュミエールは涙ぐむ。
「泣くな、これからは一緒に」
「わたくしになれるでしょうか、サクリア仮面ブルーに……」
「ああ、大丈夫だ、危ない時に私が守ってやろう」と微笑んだ。
次の事件で守ってやる必要などまったくない事に気づくのだが、この時はまだ知る由もないクラヴィスであった。
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