3 「サクリア仮面パープル……ふふふ、いいでしょ」


 さて本日、月の曜日の午後は守護聖の親睦お茶会の日である。

「ないんだってば、よー」とゼフェルは声を荒げる。

「どっかにしまい忘れてるんだよ、きっと」とランディは笑っている。

「そのうち出てきますよ」

 とルヴァが言うと、よけい腹が立ったのかゼフェルの怒りはますます酷くなる。

「本当になくなったんだってば、ちきしょーなんで信じてくれねぇんだよっ」

 ゼフェルが部屋出ていこうとすると入れ違いに入ってきたジュリアスにぶつかってしまった。

「ボヤボヤするんぢゃねー、バカヤロー」と彼は怒鳴りながら走り去って行った。

「どうしたというのだ、ゼフェルは」とジュリアスはルヴァに問いかける。

「あー、それがですね、ゼフェルが大切にしているゲームソフトと攻略本が無くなったとかで荒れているんです」

「ゼフェルの部屋ってゴチャゴチャだもの、きっとどっかに埋もれてるんだよ」

 とマルセルは笑う。

「側仕えが勝手に片づけたんじゃないのか? それにしてもゲームなど何処が面白いのか」

 オスカーは理解できないと言うように肩をすくめる。

「オスカー、恋愛シュミレーションなんていうゲームもあるらしいわよぉ」

「なんだい? それ?」

 オリヴィエはゲームの内容をオスカーに耳打ちした。オスカーの瞳がキラリと光る。

「そりゃ〜俺の為にあるようなゲームじゃないか、ああ、でも手を出すのはやめておこう、俺を思って泣く女がゲームの世界にまでいちゃあな」

「何いってんだか……それよりさぁ、ルヴァ、ゼフェルの事、追わなくていいの? 本当に無くなったって事も考えられるんだしさぁ」

「ええ私も不安になってきましたよ、すみませんジュリアス、ちょっとゼフェルを探してきますので」

「僕も行きます〜ランディも探しに行くよねっ」

「ちぇ、ほっときゃいいのにさ、仕方ない行くかぁ」

 とランディ、マルセル、ルヴァは一かたまりになって部屋を出て行った。

「これでは話にならないな、ではお茶会は明日に延期する、皆の者執務室に戻るように。クラヴィス、そなたは私の執務室まで来るように」

 そう言われたクラヴィスは物憂げに立ち上がるとジュリアスと共に部屋を出て行った。

 

「なぁ……リュミエール、最近あの二人なんだか一緒にいる事が多いと思わないか?」

 ドアが閉まるとオスカーは待ちかねたようにリュミエールに告げた。

「ええ、そのようですね、確かに」

「あらぁ、何よぉ、アンタたち焼いてんのぉ? ふふ、いいじゃないの、あの二人は元々古いつき合いなんだしさ、いがみ合ってるよかここの雰囲気もいいじゃないの」

 オリヴィエは頬づえをつきながらチラリと二人の表情を読みながら言う。

「そりゃそうだがな、どうも俺は気に食わんね、ジュリアス様は昨日も遠乗りの約束をキャンセルなさるし、リュミエールだって最近クラヴィス様にハープを聞かせてるところをあまり見てないぜ」

「仕方ありませんよオスカー、ジュリアス様はお忙しい方なのですから。クラヴィス様もお疲れのご様子ですし……」

「そそ、リュミエールは大人ね〜、いい子、いい・・」

 とオリヴィエはふざけてリュミエールの頭を撫でようとして、彼の手がグッと握りしめられているのを見つけ手をすくめた。

「ま、とにかくアタシには関係ない事さ〜失礼するよ〜退散退散」

 オリヴィエが行ってしまうと取り残されたオスカーとリュミエールは仕方なしに冷めたお茶をすすったのだった。


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