◆もしも……◆

【前 編】

 

 夜半、ジュリアスは急に目が覚める。 それは、僅かな一点に過ぎない、今は。
 だが、しかし確実に確実に大きくなってゆくはずだ。
 別れの時はもうすぐ……。

 新しい光の守護聖の誕生を同じサクリアを共有する者としてジュリアスは明確にそれを感じ取っていた。手の中のサクリアにはまだ何の変化もないが。
 聖地を去る事についてもっとショックを受けるかと思っていたが、それほど辛くはないとジュリアスは思う。新しい人生もよい……と。



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