◆第二部あとがき◆

ここまで読んで頂き、お疲れ様でした。 最後の掲載まで遅くなってしまいごめんなさい。お見舞いのメッセージ下さった方、どうもありがとうございました。

さて、 この物語は、2002年11月11日に始まり、2003年6月13日に第一部を書き終え、同年8月4日から第二部開始しています。……で、今は何時?(滝汗)
第二部を書き始めた時、メンツがメンツなので、第一部に比べたらアッという間に終わってしまうわ……と懸念していましたが、第一部より長いで……たぶん。

第二部は、ルヴァ、クラヴィス、リュミエール共に、カッコイイようなシーンも少なく……スモーキーやセレスタイトという主人公よりも主人公っぽい脇役に支えられてお話は、タラタラと進行していました。
第一部のジュリアスたちがゲームの設定年齢である青年期にあるのに比べ、第二部は、それよりずっと若い少年期から始まったため、成長の過程を書かざるを得なくなってしまいました。 その理由に、第一部で、ジュリアスが初めて他国の王を断罪した時、大山脈の向こうから、何者かの声を聞き、対峙するシーンを書いたために、その対になるシーンを書かねばならず……という事情が(^^;

けれど、まあ、おっとり型だったり、消極的だったりして、自分から前に出ることを良しとしない性格の彼らが、一皮剥けるには、それなりの事件がなければ……と 、自分を励ましてみるわたくし(^^;

ここまで、お付き合い下さっていた皆さん、本当にありがとうございます。 感想メール、あしあとぺったん、共にお寄せ頂いて、とてもとても嬉しかったです。
少し前にザッと読み返してみて、誤字、脱字は言うに及ばず、表記の揺れだとか、いろいろと至らない部分が目に付き……というか、拙い部分はそれこそ全編に渡ってしまって、それなのに、こんな長編なんて『無謀』……という文字が頭の中を、グルグルしましたが、そこはそれ、打たれ強くお気楽な性格のO型、しかも大阪のオバチャンパワー炸裂でなんとか乗り切って行きたいと思います。(……っていいのか、こんなんで?)

第三部開始まで、また少しお時間を頂戴しますが、その前にサブキャラクター人気投票の結果を反映させた外伝をアップするつもりでいます。前回は、内容がギャグや少しだけやおい発言有りのものがあったので、外伝用URLをご請求頂いたのですが、 たぶん今回は、そのままご覧頂ける形にすると思いますので、時々、覗いて見て下さいね。

                           2005.1.26
 思 惟


以下、第二部ネタバレ集

■設定
こちらは 「西 」、ジュリアスたちの「東」に比べて、大陸横断列車があり、文明がかなり進んでいるということにしました。この差についての説明は第三部にて判ることになります。

■固有名詞
「第一部」は、地名、人命とも中国的な音をベースにしましたが、「第二部」は個人名は、鉱物の名前になっています。ジェイド、アジュライト、セレスタイト、フローライト、ガネット(ガーネット)、全部、石の名前です。スモーキーについても、スモーキークォーツという茶色の水晶から取っています。 家名のクリソプレイズも鉱物の名前です。

■そして、死
第一部では結局、誰も死にませんでした。ツ・クゥアン卿始め、オスカーの父も最初は、死ぬ設定であったのに。老齢のラオでさえも殺すに忍びず。
第二部では、文明が発達している分、かえって平和ではなく、またクラヴィスたちの精神的な成長の過程が少しでも心打つようにと、善人悪人共にいろんな人との別れをたくさん入れるつもりでいました。
教皇、セレスタイトは病死、スモーキーも、教皇庁間近にしてスイズ王城の動乱で戦死……のはずでしたが、できませんでした。たとえ物語の中でも人の死はあまり書きたくない甘チャンの私です。ただ、ルヴァの故郷の人たちと、 ジンカイトの弟、そしてジェイド公だけは……ゴメンナサイ……。合掌。

■ルヴァのこと
クラヴィスは皇子、リュミエールは王族、とそれぞれ地位がありますが、ルヴァだけがありません。出身も貧しくて最終的にも、彼らが、教皇や大国の王となり、頂点に立つのに比べ、ルヴァは特に何もありません。故郷も無くすし、苦労して手にいれた文官の地位もありません。ですが、たぶん一番、幸せになるのがルヴァじゃないかな……と思うようなお話を、外伝で用意しています。

■リュミエールのこと
頑固なんじゃないかな……きっと。と思いつつ書いていました。優しさと強さは表裏一体でもあるように、生理的に許せないと思ったら、それを何とかする為にとても力が出るような。一番年下で、弱々しかったリュミエールが、一番 機動力と根性ある! みたいに書けていたら良いのですけれど。

■クラヴィスのこと
由羅版アンジェリークなどでは、クラヴィスはいつも寡黙で最後にスッと出て来て、ツボ突いてくオイシイ役……みたいな格好良さがありますねえ。例えば、ちょっと熱くなってる誰かの背後から「フッ……」と笑って知った顔してるような。それはとても好きなシーンなんですけど、 どうしてか私がクラヴィスを書くと、泣き虫だったり、いまひとつシレッとしていて格好良くないのかしらんね。ブラザーコンプレックス気味だし(^^; 
まあ、クラヴィス、見た目よか、ずっと面白くてお茶目だったり、ドジだったり……そんな風に思っています……こんなクラヴィスふぁんで、スミマセン〜。

■第三部に向けて
いよいよ最終部になります。たぶんそんなに長くないはず……と思うのですが。心の中には、書きためてますが、まだ一行も吐き出していません。西と東の文明差、同じ金枠の石たちの事、その他モロモロ、まだ謎のままになっていることがいっぱい……。
今年も、どうぞよろしくお付き合いくださいませ。
 

 聖地の森の11月 神鳥の瑕 ・第二部TOP