うら・すいむこっとうどう・いえらいしゃんほん/こうろじょまく

尚、この話は、幾分、生々しい描写が含まれますことをご了承下さい。

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〜・〜 前書き 〜・〜

この物語は、水夢骨董堂細腕繁盛記・外伝『花影追憶』の、

緑水晶(カティス)が、オリヴィエと出逢ったその夜、彼が養父・昌を殺す前夜の話になります。

未読の方はこちらから『花影追憶』が読めます。以下に『花影追憶』の概要を記しておきます。


『花影追憶』 あらすじ

広大な敷地に建てられた花々の咲き乱れる香港の男娼館・幻夢楼。

緑水晶(リュウ・ショイジン)と、彼の養父の昌は、上海で美楽園という

紳士倶楽部を経営しており、視察の為に、幻夢楼を訪れた。

親子ほどの歳の差でありながら、昌の愛人でもある緑は、その関係にうんざりしており、

商談の場を抜けだして、ただひとり幻夢楼の庭園を散策する。

咲き誇る桜の中で緑は、幻夢楼のオーナーが手塩にかけて育てているという

オリヴィエと出逢う。まだ幼いながらも、妖艶ともいえる美しさを放つ彼に、緑の心は

捕らわれる。オリヴィエと出逢った次の早朝、緑は、ついに養父・昌の言動に業を煮やし、

彼を殺めてしまうのであった…………。