廊下の突き当たりに置かれた紫檀の台座に、並べられた香炉。
右に金炉、左に銀炉。
「さて、どちらに行くべきか?」
と緑水晶は己に問い掛けた。昼間見た、あの孔雀の部屋に辿り着くには、この迷路を進まねばならぬ……と。
「ええい、ままよ」
と選んだのは、オリヴィエの髪と同じ金の香炉。
廊下の片方にズラリと並んだ扉には、百合や牡丹、石楠花などの木彫りが施されている。
その一つ一つを確かめながら緑は、奧へ奧へと進んだ。
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