一方、地下の秘密基地から飛び出したゼフェルはランディとマルセルをとっつかまえて全てを打ち明けた。
「でもでも、それってあんまりだよね」とマルセルが言うとランディも大きく頷く。
「俺たちも参加したいよな、サクリア仮面」 ランディも不服そうにしている。
「だろ? だけどさ、オレたちは絶対ダメだって言うんだ、ルヴァのヤローまでが学業がおろそかになるとか言って反対しやがったんだ」
「週末くらい好きにさせてくれたっていいのにな、ひどいよオスカー様まで。最近、剣の朝練もキャンセルなさる事が多いって思ってたんだ」
「でさ、オレたちはオレたちでサクリア仮面にならねーか?」とゼフェルは小声になって言った。
「って、どういう事?」とマルセルもつられて小声になる。
「アイツらに混ぜてもらわなくってもよ、勝手に正義のヒーローを作りゃいいんだ、オレたち三人で事件を解決しようぜ」
「おもしろそうー」
「おう、マルセル、やろうぜ。ランディはどうすんだよ?」
「でも、ジュリアス様怒るよ、きっと」
「シカトすりゃ〜いいんだよ、自分たちだってやってんだ、ビクつくことないぜ」
「そうだな……そうだよなーっ」
「よしっ話は決まったな、名前はアイツらの向こうを張ってヤングサクリアーズってのはどうだ?」
「うわぁ、ヤングってとこが嫌みかも」とマルセルが言うとランディも大笑いしながら言う。
「ははは、オリヴィエ様とか怒りそう〜」
「衣装とかもさ作らないとね、僕、緑の守護聖だしグリーンでいいよね」
「それだけどさ、俺、レッドにしたいけど、オスカー様が使ってるだろ、なんか真似してるみたいで嫌だな」
「オレなんか鋼ってグレーかよ、だっせ〜、色で決めるのはやめようぜ」
「じゃあ、どうするの?一号二号三号とか?」とマルセルはノホホンと言った。
「零号、初号、弐号とか……」
「誰か何号になるんだよバカ、もっといいのないのか?」
「明日までに考えてこようよ、僕、花壇に水やらなきゃなんない時間だ」
「よーし、じゃ、明日の午後また集まろうぜ」
「おう」
三人はいつになくはしゃぎながら解散した。
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