さて同じ頃、ゼフェルは自分の館にこもっていた。いくつも並べられたコンピューター。一見、無秩序に重ねられた資料や工具類には本人だけが解るルールがある。ゼフェルはその中から器用に目当ての資料を探しだしては、モニターに映る数値と照らし合わす。床に散らばっているのは「サクリア仮面」に関してのスクラップである。
「やっぱりな……」とゼフェルは呟くと、傍らの缶コーヒーをグッと飲んだ。
「今度はパープルの分だ」ゼフェルは記事から切り抜いたサクリア仮面パープルの写真をスキャナーにかける。取り出された画像をゼフェルは解析プログラムにかける……細かな数値がモニターに次々に映し出されてゆく。
写真に写し出されたパープルの姿から、身長、肩幅、手足の長さ……などの比率が割り出されてゆく。オリヴィエのデータと照合した結果は……。
(シンクロ率七五パーセント誤差の範囲か……)ゼフェルはパープルのデータからサクリア仮面ゴールドのデータに切り替えた。ゴールドの分はパープルの分より格段にデータが多い。 コンピュータがはじき出した数値は九〇パーセントだった。
「ゴールドはジュリアス……」ゼフェルは呪文のようにそう唱えると「面白くなってきたぜ」とほくそ笑みながら尚も作業を続けた。
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