その夜、おでんとたこ焼きをしこたま食べて、幸福感に浸りつつ眠りについたチャーリー・ウォンは、夢を見た……。

 ジャラジャラと装飾品のついたブラジャーと、濃いピンクの布を腰に巻き付けただけのヘソだしルックで、クリスティーヌが濃厚な色気と美貌を振りまきながらクネクネと踊っている。それを長椅子に横たわりながら眺めているアラビア〜ンな王、ジュリアス。
「王、今宵の夜伽は私に……」 
 踊りながらクリスティーヌがウィンクしながら言う。
「いいえ、王、夜伽は、僕に!」 
 ふいにレイモンドが現れる。こちらは、乳首がスケスケの紫のシースルーのボレロ、股間のシルエットもクッキリなピチピチのタイツ姿である。とてつもなくやらしい衣装だが、美貌が勝っていて 、それはそれでアリという感じである。
「二人とも伽を望むか。では、クリスティーヌ、そなたはいかように私を楽しませてくれるのだ?」
 ジュリアス王は、二人の色香にも動じることなく、しかし口元に若干エロっぽい微笑みを浮かべて尋ねた。
「私はこの豊満な胸で、思う存分、パフパフして差し上げますわ」
 胸を寄せてあげて、谷間を強調しつつ彼女は言った。
「そなたはどうだ、レイモンド?」
 ジュリアスの問いかけに、彼は唇を舐めつつ、自身の尻に触れながら、些か小声になってこう言った。
「僕は……男同士ならではの、締め付けでパラダイスにお連れ致します」 

 あ、アカン、アカン、二人ともっ。いやらしすぎるでっ。不潔やッ。

 と夢の中で、それを客観的に見ているチャーリーは叫ぼうとする。が、その時……。

 「では、チャーリー、そなたはどのように私を楽しませてくれる?」
 ジュリアス王は、クリスティーヌとレイモンドを品定めした後、部屋の隅にいたチャーリーにも問いかけた。露出度の高い二人の衣装に比べるべくもない、アラジンの魔法のランプで出てくる魔神チックな衣装に身を固めたチャーリーが、プカプカのズボンの裾を託しあげつつ、ジュリアス王に躙り寄る。

「オレは……ナニの合間に、ちょくちょくオモロイ事言います! ひとツッコミ、ひと喘ぎ、ひとオモロネタで! あ、この場合のツッコミとは、そのツッコミやのうて、あのツッコミです」
 何の色気もなく、どキッパリ言ってのけたチャーリーに、長椅子に半身寝かせていたジュリアス王が動いた。
「おお、では、今宵の伽はそなたと!」
「はい、ジュリアス様ッ」

 ありえない……と、orz……←このような姿になっているクリスティーヌとレイモンドを置き去りにして、ジュリアスとチャーリーは薄衣が何重にも掛かった天蓋付き寝台の中へと消えた。

 と、いうところでガバッと目が覚めたチャーリー。

「…………エエ夢なんか、悪いんか……ようわからんわ……まあ、ジュリアス様はオレを選んだんやし、エエんか。しかし、……ひとツッコミ、ひと喘ぎ、ひとオモロネタは 、実際にはキツイわ。ジュリアス様のひとツッコミ、結構、情け容赦ないんやから……」
 ふぁ〜と欠伸をして、チャーリーは再び、眠りにつくのであった。

 

■あとがき■


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