ジュリアスは座っていた。 背筋を伸ばし、手は膝の上に緩く組み合わせ、瞳は真っ直ぐ、この部屋の唯一の装飾品で天使像の付いた掛時計を見つめている。 その時計の他には、この部屋には二人が座れる位のソファが置いてあるだけである。 ここは女王陛下の閲見の間に続く、控えの間の一つだった。 端座しているジュリアスの隣に、ゼフェルも並んで座っていた。座っているというよりはむしろ半分寝そべっているというような姿勢である。ソファのギリギリの所に尻を置き、足を投げだして、ふくれっ面をしていた。
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