■あとがき■
最後までお読み頂きありがとうございました。

『永遠回帰』−えいえんかいき−は、ジュリアスとクラヴィスの友情の物語です。
そして、私にとっては、随分昔に、まさに一生懸命書いた“古い”物語です。
五年の時を経た今でも、この二人に対する気持ちは、変わりありません。
共感して頂ける部分がありましたら、とても嬉しいです。そしてぜひ感想を読みましたメール掲示板で、お寄せ下さいね。とっても励みになりますし、何より、『アンジェリーク』がお好きな方がまだまだいらっしゃるんだわ!と実感できる事も嬉しいのです。

 それと、一応、完売ということでイベント売りは終了致しましたが、数部、まだ私の手元に在庫があります。もし本の形で……という方がいらっしゃいましたら、通販の受付を致します。一部400円+送料です。詳しくは、『読みましたメール』か、shii@cside.tv 宛てにメールをお願い致します ね。


■本誌掲載のあとがきの一部抜粋■
このお話の舞台となっている『アジュマラ』という土地は、もちろん架空のものですが、ベースはイランのイスファハンあたりです。一年前の夏、このイスファハンのモスクの写真展に行った時に、クラヴィスの故郷はこんなかも……とふと思ったのでした。それから、その事はずっと忘れていて、半年後の一月、とても寒い朝、ボーッと歩いてると、雪と一緒に、このお話が落っこちてまいりました。
 家に帰るなり、マシンを立ち上げて書いたのがこのお話しで、そこから半年かけて、資料集めをしたりして、完成となりました。
 アンジェリークの同人を辞めるまでには、書きたかったジュリアスとクラヴィスの友情のエピソードを、やっと本に出来ました。まだまだ思い残す事は多々あれど、今はとても幸せです。
(中略)
 そう言えば、いつもは怠惰なクラヴィスが、いざと言う時、ジュリアスを助ける、という設定の話は時々みかけ、それは私にとっても暁さんにとってもツボ!なのですが、ジュリアスがクラヴィスを助けるとなると、その当時はあまり見かけないテーマでした。
 公式設定上、怠惰でいつも疲れてそうなクラヴィスがジュリアスに助けられる……となると、私の力量では、ヘタするとホントにダメ男になっちゃうかも、ジュリアスの方も、威厳を通り越して、ますます偉そうなヤツに拍車かかっちゃうかも……という思いもあって、ながらく書けないでおりましたが、いつの頃からか、シミジミとクラヴィスはジュリアスの存在そのものに助けられているような……気がしてきたのでした。
 相性とか親密度とか、そういうものを越えて、有無をいわさず繋がっている二人、聖地にいる時はそれが疎ましかった事もあるけれど、やっぱり結局は一緒に生きてきた友達……そういう二人でいい……と思うと何故か、肩の力が抜けたように、書けるかも……と思ったのでした。
    
 1999年夏 思 惟
 

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